REFLOW SIMULATOR
リフローシミュレーター(RS−1)

特徴 RS-1 は・・・・・・


表面実装におけるはんだのぬれる過程を目で観察できる装置です

  • 温度プロファイルは自由に変化でき、現場リフロー炉の特性に近似できます。
  • 加熱方法は熱風方式です。
  • 観たい部分の温度特性をパソコンで処理し表示します。
  • 炉はガラス張りで観察しやすくなっています。
  • N2雰囲気でリフローできます。
  • O2濃度はN2ガスと空気の流量制御によって実現するので、O2蓋度計は必要ありません。

1.特徴

  1. 温度プロファイル

    プリヒート昇温速度、プリヒート温度、プリヒート時間、リフロー昇温速度、リフロー温度、リフロー時間を設定すれば、直ちに再現性よく所望のプロファイルが得られる。

  2. 観察

    炉は3側面がガラス張り。プリヒート中のペーストの挙動、リフロー 時の挙動を眼で観察できる。CCDカメラへの取り込みも容易。

  3. 雰囲気

    雰囲気可能。O濃度はNガスと空気との流量制御で実現。O濃度計不要。

  4. 卓上型

    椅子にすわったまま実験でき、疲れない。

  5. 迅速

    プロファイル設定時間、雰囲気形成時間、冷却時間(ファン冷却)が短く、効率よく実験できる。


2.仕様

項目

仕様

炉内温度 室温〜320℃
温度センサ 測定範囲 0〜320℃ 測定精度 プラスマイナス3℃
ヒーター定格 熱風ヒータ 800W
計測範囲 センターより直径40mmの範囲内
直径20mm線上を中心に:プリヒート温度10℃以内のバラツキ
流量計 F1(Nガス)1リットル〜10リットル/MIN
F2(空気) 0.05リットル〜0.5リットル/MIN
F3(空気) 0.5ミリリットル〜50ミリリットル/MIN
濃度制御範囲 100PPM〜10000PPM 100PPM以下も可
空気・Nガス供給量 MAX10リットル/MIN  1kg/p2
温度プロファイル設定図1 プリヒート温度 T1=50〜220℃ピーク温度 T2=150〜320℃
プリヒート時間 t1=1〜990sec
ピーク時間 t2=1〜60sec
プリヒート温度上昇
K1=1.0,2.0,3.0,4.0/sec プラスマイナス
本加熱温度上昇
K2=1.0,2.0,3.0,4.0/sec プラスマイナス
ヒーター出力設定 熱風出力 K1,K2,t1,t2,T1,T2による
濃度設定 流量計(F,F,F)の混合比により決定
標準基板 60mm×60mm×1mm ガラエポ
温度出力 記録計出力:基板表面 10mV/℃
デジタル出力:B,C,Dch及び基板表面(Ach)
RS-232C出力(専用ソフト「TAM-2R」)
電源 AC100Vプラスマイナス5V 50/60Hz 800w





3.以下は「表面実装技術」( '97 2月号)に載せた応用使用例です。

鉛フリーはんだペーストのリフロシュミレーター評価

−雰囲気形成時間、プロファイル設定変更時間を短縮し、リフロー中の挙動が視認できる。

リフローシミュレータの目的

 鉛フリー化、BGA/FC化、さらにはVOCフリー化等、環境が大きく変わりつつある現在、より実装枝術が重要となっている。「百聞は一見にしかず」というが、変化に対拠するためには、自ら実験することが実体を把握するうえで必要である。リフロー実験により多くの成果を得るコツの1つは、実験速度の飛躍的向上、およびリフロー中の挙動を観察することである。

 このため、雰囲気形成時間・プロファイル設定変更時間を短縮し、リフロー中の挙動を視認でき、さらには実験で疲れないよう、椅子に座ったまま実験できる卓上型のリフローシミュレータの開発を企画した。その結果、所望の酸素濃度を少なくとも2分以内に形成し、所望のプロファイルがボタン操作により打ち込むだけで再限性よく直ちに得られ、さらにプロファイルを各種加工できるシミュレータを開発することができた。平成14年度までに既に100台以上納入している。

 当初目的としたはんだペーストを使ったリフロー実験の他、各種部品の耐熱性実験等加熱は最も基本的な操作であり、リフロー以外でも多く使用されている。はんだペーストの評価を、ホットプレートで評価するのとH.A.(またはH.N2)で評価するのとでは、ペーストだれ性、残渣のヒビ割れ度等挙動が異なり、評価は実際のリフロー条件に近い加熱方法で評価することが望ましい。

 以下、鉛フリーはんだ(SnAg系)ペースト、共晶はんだペーストを使い、本装置の応用例の一端を説明する。


基本仕様、基本性能

 N2雰囲気形成能力は純N2を注入した場合、2分で25ppm まで低下した。

0.5ミリピッチQFPのリフロー実験

使用ペースト:A社試作SnAg系はんだペースト(大気用)
B社SnPb共晶はんだペースト(大気用)
雰囲気:大気&25ppmO2雰囲気
部品:0.5ミリピッチQFP100ピン
基板:GE基板 銅ランド製作後8年と故意に古い基板を使用。
ステンシル:0.15t、ブリッジの発生傾向を調べるため写真1のとおり特殊形状とした。
リフロープロファイル:省略(表面実装技術'97 2月号参照)


SnPb共晶はんだペースト

<結果>
SnAg系ペースト:H.A雰囲気 写真2、3 ブリッジ数 0/50
SnAg系ペースト:H.N2雰囲気 写真4 ブリッジ数 1/50
SnPb共晶はんだペースト:H.A雰囲気 写真5 ブリッジ数 2/50
SnPb共晶はんだペースト:H.N2雰囲気 写真6 ブリッジ数 7/50


 写真のとおり、SnAg系はんだペーストのぬれ性は空気囲気中ではかなり劣っており、はんだボールや銅ランド邸の不ぬれが目立っている。H.A雰囲気、H.N2雰囲気とも、SnPb共晶はんだペーストのほうが優れていた。

 試験数はQFP各1個であり、このデータのみでは断定できないが、SnAg系はんだペーストのほうがむしろブリッジが少なかった。これは経験上、ブリッジが発生するには、ぬれがよくランド間で瞬間的にぬれつながることが前提条件であるが、SnAg系はんだペーストのぬれの悪さが逆にブリッジを防止したと考えられる。ブリッジ数の分母は写真1に示すランド間をまたいだペースト印刷個数を示す。すなわち、ブリッジが発生してもおかしくない個数である。


1608チップコンデンサ

 使用ペースト、雰囲気、基板、リフロープロファイルは同じ。

部品:1608セラミックチップコンデンサ
<結果>
SnAg系ペースト:H.A雰囲気 写真7
SnAg系ペースト:H.N2雰囲気 写真8
SnPb共晶はんだペースト:H.A雰囲気 写真9
SnPb共晶はんだペースト: H.N2雰囲気 写真10



 SnAg系ペーストの場合、H.A雰囲気では銅ランドのぬれ性が不良でかつソルダーボールもあるが、H.N2雰囲気では、はんだボールはない。ただし、銅ランドのぬれはなおも不完全。写真を見ると、銅ランドに十分ぬれないことに起因し、セルフアライメント効果が出ないようにも思える。従来タイプのSnPb共晶はんだペーストの場合、H.A雰囲気中でも銅ランドのぬれはよく、はんだボールもほとんどない。N2雰囲気中では完全にセルフアライメント効果が出ている。

ソルダーボール実験

 GE基板(ソルダーレジストなし)の銅ランド以外の場所に円形(直径5)にペースト印刷(0.3t)し、加熱。実 験条件は同じ。

<結果> 
SnAg系ペースト:H.A雰囲気 写真11
SnAg系ペースト:H.N2雰囲気 写真12
SnPb共晶はんだペースト:H.A雰囲気 写真13
SnPb共晶はんだペースト:H.N2雰囲気写真14


この実験ではいずれもH.A雰囲気では、はんだボール発生。H.A雰囲気では、いずれも残渣にクラックが発生しているが、H.N2雰囲気では残渣のクラック発生は少なく、SnPb共晶はんだペーストでは皆無。残渣のクラックはマイグレーション防止上、ないほうが良い。

残渣クラックはベヒクル中の樹脂等の特性にもよるが、リフロー雰囲気も影響していることがわかる。逆にいえば、残渣のクラック発生は、空気中の酸素と樹脂とが反応した結果とも思われる(N.H2の方が湿度は0であり、乾燥力は大と思われるので、乾燥が原因ではないと思われる)。


はんだペーストの溶融温度

 溶融温度を測定する方法として、DSC(Differential Scanning Calorimetry)法がある。この方法は系を徐々に加熱した時、特定の温度における相変化等に伴う潜熱量を測定することができる。
本リフローシミュレータも使い方によっては、DSCと同様にはんだペーストの融解温度を測定することができる。

1.実験方法

 GE基板のガラスエポキシ部に写真15、16に示すとおり直径1mmの穴をあけ、裏面から100〃m径の予め接合した熱電対を差し込み、基板裏面でガラステープで固定しておき、表面に写真17のとおりはんだペーストを印刷した(今回のテストでは0.3tの厚さとした。熱電対先端ははんだペーストの中にある)

 この熱電対を使い温度制御する。当然得られた温度はペーストそのものの温度である。

<プロファイル設定>

上昇速度:100℃まで指示値2、100℃以上指示値1(約0.6℃/S上昇) 最高温度:240℃

 2.実験結果

(1)SnPb共晶はんだペーストの場合(表面実装技術'97 2月号参照)

100〜183℃までは制御通り、約0.6℃/Sの一定速度で上昇しているがほぽ184℃で約20秒間一定温度となっている。これは、この間はんだペーストの融解に伴い熱(潜熱)を吸収し、相変化を起こしたことを示している。共晶はんだの融点183℃よりも1℃高いが、測定系の誤差も考えられる。

(2)SnAg系ペーストの場合

 同様に表示上、211℃で約10秒間一定温度となっていた。
 本リフローシミュレータは、電子制御により熱電対の温度とその上昇速度を常にチェックし、指定した温度プロファイルとなるべく加熱ヒータパワーを自動制御している。融解温度では電子制御の努力にもかかわらず温度が全く上昇しないため、より大きなヒータパワーを指示しており、融点以上では急激に昇温している。

 以上の方法により、DSCよりもむしろ実際的な融点範囲を肥握することもできる。必要で在ればビデオ録画画面中に温度を表示できるので温度とはんだペーストの挙動を同時に観察できる。
この一定温度の間に、ペーストが融解し凝集する現象を観察できる。

 本レポートでは、リフローシミュレータを使い2種類のはんだペーストの評価を行った。多くの場合、発見や考案は、反応や挙動を評細に注意深く観察することから始まる。この意味で、本リフローシミュレータは3方向に窓があり、すぐ近くで詳細に観察できるので好都合である。

 なお、今回の実験ではSnAg系はんだを使用したが、海外では鉛フリー化に伴い、共晶はんだの弱点であった温度サイクル寿命が短い点の解消をも図り、その結果、現在のところSnAgCu系はんだが最有力視されている。


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